夜中に不穏・・
「何とかしてくださいよ。」
平和な夜勤を脅かす患者さんの一言。
看護室でのんびり新聞を読んでいたのに、同じ部屋の数名が看護室に抗議にきている。内容は同室者が消灯後も飴玉をガリガリ食べていて寝れない。うるさい。とのこと。
部屋に向かうと自分の荷物をあさっている。お菓子を食べながら。消灯後なので、懐中電灯で本人を照らすと、大きなネズミがごみをあさっているような姿。
「部屋を変えましょうか」と優しく誘導。
本人は無言だが、お菓子をぼりぼり食べながらの移動。
この患者さん、夜間せん妄が酷くて保護室でも問題になっていた。夜中になると壁に貼って見たり、「今から火を焚くから・・」などわけわからない状態が続いていた。保護室が緊急用件で必要で、この患者さんを出したらしい。まだ早いだろうという夜勤者の一致した意見だったがそれが運悪く当たってしまった。
部屋を移動して眠剤と不穏の際に飲ませる薬を飲ませて何とか落ち着いた。使える手は何でも使うのが私の看護方針。使わないで躊躇したほうがより混乱を招くし、患者さんも落ち着かなくてかわいそう。ということで、私は使える手はすべて使い、それでも怪しい場合は前もって医師に注射の指示をもらったりしている。夜勤は案外スリリング。身を守る手立ては必要。それが精神科。
ちょっと落ち着いたかと思ったら、同室だった患者が
「こんな人部屋に入れないでよ!!」と怒り狂って看護室にきた。
自分を自制できない患者さんも多い。この人は麻薬依存で自制する部分がやや弱い。それだけに刺激に対しても過敏に反応してしまう。話を聞いて、不穏時薬を飲ませて一件落着。
一連の流れで1時間くらい収めるまでにかかった。荒れた日は少ないが、こういうときは結構つかれてしまう。夜勤はまだ始まったばかり。