「はい、次!!」
助手さんの勢いある声が浴室に響き渡る。焦る看護師。着替えが追い付かない。
週明けと週末の戦場。そう、介助入浴の日。
毎日お風呂に入れれば理想だけど、入浴に介助のいる人は週2回から3回程度の入浴で我慢してもらっている。失禁があると特別サービスで1回増えたりする。夜中の寒い時間だったりするけど。
入院する年齢もどんどん上がり、アルコール依存症というよりは認知症の患者も多い。アルコール依存症だったのは遠い昔。老人介護施設に入れなかった人が、アルコール依存症という病名をつけて入ってきたりする。先日来た患者も84歳と82歳。
入浴介助はさらに続き、だんだん殺気立っていく浴室内。
助手さんが入浴介助をするから少し適当なところも出てくる。
「この人髪の毛ないじゃない、全身ボディーなんだからボディーソープで洗っちゃいな!」
年齢も高いから髪の毛は風前の灯。それ言っちゃダメだろと思いつつも少し笑ってしまった。
過激な助手さん、入浴後にいつもリポビタンDを飲んでいる。
「これがないと後半動けなくなるのよ。」
70歳に近い助手さんまだ働けそうです。