アディクション看護師の日日是好日

依存症治療病棟で起きる日々の出来事を日記のように書いてます。

あだ名

「すみませ~ん」と看護室に暗い顔で訴えてくる。

 

「落ち着かないんで薬もらえますか??」

 

「さっきまでTV見て笑っていたでしょ。薬は必要ないでしょ。笑ってる余裕のある人には渡しません。就薬まで待っていなさい。」と看護師

 

もともとはゲーム依存で入ったこの患者さん、IQも低いせいか理解力が乏しい。一度頓服薬の味を覚えたら、頻回にもらいに来るようになった。依存症治療にきて、薬物依存になっているからどうしようもない。

 

訴えが多い患者にはめんどくさがってすぐに薬を渡してしまう看護師も多い。飴玉を子供にやるような感覚で理由も聞かずに渡してしまう。何も言わずどんどん薬を渡す看護師を「薬の売人」と患者の間では言われている。

 

患者さんは看護師の行動をよく見ていて、それぞれに合ったあだ名をつけているらしい。化粧が濃いから「Matt」、ガタイがいい男性スタッフを「弁慶」、昔きれいだっただろうと「聖子ちゃん」など。

 

看護師も患者さんにあだ名をつけたりしている。患者さんのいる前じゃ言えないが、看護室内ではあだ名で盛り上がる。髪型が落ち武者みたいだからと「落ち武者」、入院時にぼさぼさ頭と髭がはえていて、山で住んでいて逮捕されて運ばれてきたから「仙人」、家族が間違えて小児用のおむつを送ってきたから「ムーニーマン」など。

 

私も何かしらあだ名が付けられているだろうけど、教えてくれなかった。何て言われてるんだろな~