アディクション看護師の日日是好日

依存症治療病棟で起きる日々の出来事を日記のように書いてます。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

病は気から

「口の中チェックさせてください。」 「舌にまだ残っているよ。ちゃんと水で飲んで。」と強い口調の看護師。 精神科では見慣れた光景。ある意味独特な場面。食後に内服をしてもらうが、口の中に残ってないか確認する作業。 一般科では自分の薬は病気の良し悪…

晴れ時々曇り、のち雨。

「ちょっと話したいことがある。」と真剣な顔で患者さん。 「実はね、この前5億円振り込まれたから、今度渡すね。」と。 依存症治療の病棟だが、たまに統合失調症?と思われる患者さんも入ってくる。 保護室に入ってて外部との接触がないのにどうして振り込…

病棟内通貨

「お菓子をねだってくる人がいるから注意してください。」 そう言ってくる患者さん。その患者さん、かなり入院して太った。 明らかにお菓子の食べ過ぎだからだ。普通に病院食だけだったら太らない。依存症で入院した人が唯一気分転換できるもの、それはお菓…

夜中に不穏・・

「何とかしてくださいよ。」 平和な夜勤を脅かす患者さんの一言。 看護室でのんびり新聞を読んでいたのに、同じ部屋の数名が看護室に抗議にきている。内容は同室者が消灯後も飴玉をガリガリ食べていて寝れない。うるさい。とのこと。 部屋に向かうと自分の荷…

趣味

「明日は10レース、3を軸に・・・」 と競馬の予想を電話で話している患者さん。 精神科特有で閉鎖病棟には今はあまり見かけなくなった公衆電話が置いてある。通信の自由があるが、携帯電話の使用はできない。たまに警察や消防に電話してしまって、公衆電話が…

あだ名

「すみませ~ん」と看護室に暗い顔で訴えてくる。 「落ち着かないんで薬もらえますか??」 「さっきまでTV見て笑っていたでしょ。薬は必要ないでしょ。笑ってる余裕のある人には渡しません。就薬まで待っていなさい。」と看護師 もともとはゲーム依存で入っ…

仏と不動明王

「看護師さん~すみません~」と作業療法士から呼び出し 患者移動や入院が重なって忙しいので看護師が応えない 「お願いします~。倒れちゃってます。」と少し切迫した声で看護師を呼び出す。 たまたま目が合ったので行ってみると、プログラムで集まった患者…

専門家の集まり

「ここはちょっと違いますね。〇〇さんとこはどうでしたか?」 専門用語が飛び交う食堂内。アルコール依存症の元自衛官たち。 階級は様々。3等海尉から2等陸曹まで定年まで勤めた人まで数人がたまたま一緒になって話していた。きっかけはロシアの進行で戦…

【精神科看護師アルアル】看護師2軍

「今日は血圧が高いから休むそうです。」と夜勤者から報告 「彼女血圧高かったもんね。心臓大丈夫なのかしら?」と看護師さん。 まるで介護施設の話題かと思う内容だが、病棟での一コマ。精神科で特に慢性期だったりする病院は一般病棟をリタイヤした看護師…

ココはホテルじゃないです。

「22時になったら追加のお薬もらえるんですよね。22時になったら起こしてください。」と保護室に入っている患者さん。 「ここはホテルじゃないです。」とは言えず、「起こすことはしませんよ。」と。言っている自分の顔が引きつっているのが分かった。 もう…

直行便

「お迎えお願いします~。男性2名でだって。」と病棟クラークさん。 男性2名。外来から男性看護師を複数名呼ぶときは暴れることもある患者さんが来ている警告サイン。入院に納得していない患者さんの場合は外来から病棟に連れてくるまでが一苦労の場合も多い…

アルコール依存?薬物依存?・・いや若年性認知症

「入院してだんだん食べなくなってきたよね。」と中堅看護師 確かに入院してからだんだん食べなくなってきた。40歳代後半の男性。もともとはアルコール依存症という診断で入院してきていた。以前の職業は夜のお仕事。バーの店長をしていたらしい。バーの店長…

アルコール離脱症状全開

夜勤に入る前。病棟に入ると看護師がモニターの前でたむろっている。こういう時は大抵、不吉な空気感が漂っている。 モニターをのぞき込むと患者が暴れている。60歳代の男性、自営業をしていたみたい。店をやっていたが飲酒が増えて継続できなくなり廃業した…

80歳代、高齢アルコール依存症

「また入院してくるみたいです。」と病棟クラークさん。 「えー」と看護師一同。 80歳代の耳の遠いアルコール依存のおじいちゃん。病棟も徐々に高齢化して、アルコール依存症の初回入院が80歳代もざらになってきている。この患者さんはどちらかといえば認知…